藤次郎オープンファクトリーでは、去る8月5日(金)、近隣の児童を対象に、「小学生わらしべ長者風包丁作り体験」を開催いたしました。
今回が初の開催となる、包丁製作全工程を使っての包丁作り体験。
通常は1か月以上かけて作る包丁作りを、半日という限られた時間でどう進めるのか、そして、ケガなく安全に包丁作りを体験してもらうためにどうしたらよいか、何カ月にもわたり検討を重ねました。
その中で生まれたアイディアが、皆様ご存じの「わらしべ長者」でした。
わらしべ長者といえば、一人の貧乏な男性が物々交換をしながら富を得ていく、という日本のおとぎ話です。
しかし、調べていく中で、「藁しべ→蜜柑→反物→馬→屋敷」ではなく、「三年味噌型」と呼ばれる別の形式があることを知りました。
三年味噌型は、大金持ちの娘と結婚するために「藁→蓮の葉→三年味噌→名刀→千両」に次々と交換していく、というストーリーなのです。
お気づきですか?
なんと、物々交換の過程に、「名刀」が含まれていたのです!
これにヒントを得て、工程が進むごとに物々交換をしながら、包丁ができあがるまでの工程を体験してもらう、という体験プランができあがりました。
集まってくれたのは5年生と6年生の3名。
近くに住んでいるけれど、藤次郎が何の会社かは知らなかったそう。
初めての包丁屋にみんな緊張の様子。
そんな中、いざ、包丁作り体験スタートです。
どの子も目をキラキラと輝かせながら、説明を聞き漏らさぬよう耳を傾ける真剣な眼差しに、職人たちにも熱が入り、想定していた時間をオーバーするほどでした。
真夏の厳しい暑さの中、弱音を吐くこともなく、3時間以上熱心に包丁作りに打ち込ちこんでくれた姿には、関係者一同、心から感動いたしました。
まさに世界に一つだけの包丁が完成の完成です!
一枚の鋼材から包丁に作り上げられていく過程を体感し、包丁作りへの興味を持って欲しい、という思いから始まった今回の取り組み。
しかし、体験を終えた子供たちからは、
「試し切りをしたとき、包丁の切れ味の良さにとっても驚いた!」
「沢山の工程があるのに、どれもすごく丁寧にしていてびっくりした!」
「いつも使っている包丁にこれだけの職人さんたちの頑張りがあることがわかった!」
「色々な工夫をしながら、安全に包丁を作っている様子がとても伝わった!」
等の声が次々にあがりました。
常に技術と心を磨きながら、真摯に刃物造りに向き合っている職人たちの心意気が伝わったことに、思わず胸が熱くなりました。
藤次郎のある燕市は、日本有数のものづくりのまちです。
燕市で育つ子供たちに、「ものづくりって面白いんだ!」「自分の住んでいるのはこんなに素晴らしいところなんだ!」と誇りをもってもらえるよう、今後も社員一丸となって取り組んでまいります。