2021.07.15 ・ イベント・展示会 / スタッフブログ
ナイフアトリエの職人が製作したオリジナルナイフの開発ストーリー第二弾をご紹介いたします。
7/12の「ナイフの日」に向けて、藤次郎ナイフアトリエの職人達がオリジナルナイフを製造しました。その開発ストーリーをお届けします。
今回の開発ストーリーは
ナイフアトリエの職人歴4年目の早渡です。
今回早渡が作るナイフのコンセプトは、鉛筆を削ったりなど、細かい用途で活躍するミニナイフです。
ナイフアトリエの職人といっても担当する工程によってはナイフや包丁を一から全部作った事が無い職人もいます。早渡もナイフ作りは今回が初めてということで、先輩の職人からアドバイスをもらいつつ作業を進めていきました。
まずはナイフのデザイン。無駄を削ぎ落としたシンプルで生活に馴染むデザインを考え、図面に起こしました。
図面に起こしたあとはレーザーカットで型抜きします。鋼材はVG10ダマスカスの16層を使用。失敗の可能性も考慮して3丁分刀身を抜いたそう。
抜いた刀身材を焼入れして硬度を高めます。硬度が高いままだと割れや刃こぼれが起きてしまうので、それを防ぐために焼き戻しという熱処理を加えることで研ぎやすく粘り強い鋼材へと変化します。
次に研ぎの工程です。
普段の業務では研ぎの工程をやらないため、研ぎすぎて刃の形が薄くなりすぎてしまったり、表面にキズをつけてしまったりと思うように研げずに大変だったそうです。
研ぎ終わった刀身を磨いて表面を綺麗にしていきます。磨きすぎず、あえて地の質感を残して仕上げました。
磨きが終わったらブラスト処理の工程です。ショットブラストを吹き付けることでダマスカスの波紋が浮かび上がります。
ハンドル材として選んだのは非常に硬くて耐久性の高い黒檀です。
手触りを良くするため木材にこだわりました。
ある程度大まかな形までハンドル材を削ったら、タングにボルトで固定します。
ハンドル材が固定できたらハンドルを磨いていきます。
磨きの工程が終わると、非常に滑らかなハンドルが出来上がります。
最後に、刃付けの工程を経てようやくナイフが完成しました。
丸みをおびたハンドルデザインはセイバーグリップで持つことをイメージしたそう。
非常に握りやすく、手の小さい方でも扱いやすいサイズ感になっています。
初めてのナイフケース作りにも挑戦しました。
黒ハンドルのナイフに合わせて黒のケースにすることで統一感を出しています。
木の葉をイメージした留め具も手作りで温かみのある素敵なデザインになっています。
ナイフ作りにかかった時間は14時間程。
特に明確な用途は決めず、鉛筆削りや工作、封筒を開けたりなど、机上で万能に使えるナイフが出来上がりました。
次回はさらにデザインのイメージ通りに作れるようにしたいとのこと。今後の作品がとても楽しみです。
開発ストーリーPART.1を見る
開発ストーリーPART.3を見る
開発ストーリーPART.4を見る
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※製作したナイフの販売や受注生産は行っておりません。予めご了承ください。
藤次郎オープンファクトリー
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