研ぎ棒(スチール棒)は、食肉加工の現場などで主に用いられている研ぎ器です。使い道としては刃先に脂が付いて、切れが悪くなったときに、脂を取り去ることや、刃先の修正を行うために使用するプロ用の道具です。
研ぎ棒での研ぎは、コツがあり難しく、また切れ味が悪くなるたびにこまめに研ぐことができないと、効果が発揮できません。研ぐ場合はスピードよりも、研ぐ角度の正確さの方が大切です。
これは元々、ヨーロッパで主流になっていた包丁研ぎの方法です。
ステンレス製の包丁が主体であるヨーロッパなどの海外製の包丁をはじめとする硬度の低いステンレス製包丁は研ぎ棒での研ぎが合っており、多少研ぐ事は可能ですが、ハガネ製包丁の場合は硬度があわず、研ぐどころか基本的に刃先を痛める原因となるため、お勧めしていません。
基本的には、砥石の代わりにはならないので、包丁の切れ味を一時的に戻すためのものだと考えた方がいいでしょう。
もちろん、食肉加工の現場の職人の方も、研ぎ棒で脂を落としたり一時的な切れ味を良くするために用いますが、作業の終わりには必ず砥石での研ぎを併用しています。
1.包丁は、スチール棒に対して常に、約20度の角度に保ってご使用ください。この角度が常に変わらないように気をつけてください。
2.スチール棒を左手に包丁を右手に持ちます。包丁をスチール棒に当てて、刃元から刃先の方に向かって、上から下ろすように引いてください。
3.包丁をスチール棒の反対側に当て、もう一方も2の作業と同じように研ぎます。角度を変えず2〜3の作業を5〜10回繰り返します。
なお、現在藤次郎オンラインショップでは、研ぎ棒(スチール棒)の取扱いはありません。
直営店の藤次郎ナイフギャラリーでは、DICK社製の研ぎ棒(スチール棒)を取り揃えておりますので、ご興味のある方はぜひお問合せください。