2019.02.11 ・  /

包丁ってどんな風にできてるんだろう?職人技を間近で体感できる藤次郎のオープンファクトリーに行ってみた

本記事はROOMIEさんに掲載して頂いた記事の転載になります。

 

身近なものが作られて、完成するまでってちょっと気になります。
工場で作られるプロセスを見ると、いつも使っているものでも「こんなパーツがあったんだ」とか「そういう機械で作られているんだ」とか結構面白いんですよね。

私は先日、以前ROOMIEでもご紹介した包丁メーカー、藤次郎の工場へ行ってきました。包丁の工場と聞くと、金属を加工しているので少し危険だったり、そもそも制作過程を身近に見れるような場所ではないイメージ……。

 

しかし実際は、管理が整っていて、子どもでも安心して周れるほど!
また、職人さんの手作業をかなり間近で見たり、包丁誕生のエピソードなどを聞いてグッとくるものがあったりと、見学もとても楽しめるものでした。

 

それでは、実際にはどんな体験だったのかを詳しくご紹介していきます!

クリーンで快適な工場

中は、掃除が行き届いてとてもキレイなのが印象的。

強力なバキュームで金属の粉が飛び散らないようになっているので、職人さん達もマスクなしで作業するほどです。嫌なにおいもなく、快適でした。

職人の手仕事を間近で感じられる

環境の良い中で見学できるので、職人さんと見学する人との間には、窓や敷居がありません。手を伸ばせば届く近さで職人さんの熟練技を見ることができます。

中でも印象的だったのは、オーダーメイド品を作るときの「鍛造」という工程。ここでは、炉で加熱した鋼をハンマーで叩き、包丁の元になる形を製造。

分厚い鉄の塊が、みるみるうちに細くてスラッとした包丁の形に……!
ハンマーで鉄を叩くと同時に火花が飛び散って迫力満点でしたよ。

完成までのほとんどの工程を見れる

日本の包丁は切れ味が良いことで世界的にも有名なのはご存知ですか?
その切れ味を作っているのは、製造工程の多さ。

一般のお手頃な包丁だと「研磨」という作業を2工程で済ませているものが多いのですが、藤次郎では8工程も踏んで行います。これによって刃の凹凸が滑らかになり、鋭い切れ味を作ってくれているのです。
他にも、洗浄し、刃を削り、持ち手をつけ……など、約20もの工程があり、ほとんどの工程を見ることができます。

これだけの工程があっても、職人さんが手を動かして包丁を作っている光景が多く、丁寧な技術に見入ってしまいました。

日本の包丁のルーツは日本刀

そもそも日本の包丁が切れ味の良さを求めるようになったのは、日本刀をルーツにしているからという説も。体格が小さい日本人に合わせて、一振りで相手を仕留められるような良く切れる刃物が必要だったんですね。
侍がいた時代に職人さんたちが試行錯誤して作り上げた刃物の技術を、現代まで引き継ぎ、家庭でも使われる包丁に進化したなんて、グッとくるものがありました。

 

こうして見学は全部で1時間ほどで終了。
包丁ができるまでの工程を体感し、歴史も聞けたので、博物館に行ったような満足感でした。

 

オープンファクトリーは無料で見学が可能。
さらに見学の際は事前予約をすると担当の方がガイドしてくださいますよ。

藤次郎の包丁はグッドデザイン賞を受賞しており、一般の人が見学できるこのオープンファクトリーも、2018年に同じ賞を受賞しました。
安全な環境で職人さんの技を間近で見られるだけでなく、デザイン性も高く評価されている藤次郎オープンファクトリーに一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

田中奈未

 

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