良い切れ味と長く付き合うために - 砥石での研ぎ方

包丁の切れ味を常に保つことは、料理がうまくなるための条件です。ですから、切れ味が悪くなってきたなと感じたら、研ぐ習慣を付けましょう。
包丁を研ぐには、砥石以外に研ぎ器などがありますが、研ぎ器を使う場合は頻繁に研いでいないと、刃先が丸くなりすぎて、良い切れ味を取り戻すことはできません。たまにしか砥がない場合は、砥石を使って研いだ方が効果があります。砥石には大きく分けて荒砥石、中砥石、仕上げ砥石があり、荒砥石は大きく欠けた刃先を削り落とすなどの初期段階で用い、中砥石は刃先を出す通常の研ぎに用い、仕上げ砥石は中砥石でできた細かな傷を取るためと小刃止めを行うために用います。一般的にはじめて砥石を揃えるなら、中砥(1000番程度)を揃えておけば充分です。また、家庭用の砥石などでは中砥石と荒砥石、中砥石と仕上げ砥石を貼り合わせたコンビ砥石などもあるので、場合によってはこのような砥石を選ぶのも良いでしょう。

包丁を研ぐ上で一番重要なのは刃先と砥石の当たる角度です。この角度のコントロールさえできれば研ぎをマスターしたのも同然です。それではその包丁に最も適した角度とはどうすると分かるのでしょうか。
まず、一番最初に購入した際に包丁の刃先の小刃部分の角度つまり小刃部分の幅、これがその包丁の刃先の角度の基準であり、切れ味の性能の基準になります。これ以上に小刃部分の幅を大きく研ぐと鋭角になり、切れ味が優れますが刃先が薄くなり耐久性が落ちます。また逆に幅を狭く研ぐと刃先が鈍角になり、耐久性は上がりますが切れ味の性能は落ちます。一番最初に使用してみて切れ味に満足が行くようであれば、この小刃部分の幅を守るように研ぎ直しを行えば良く、切れ味に満足が行かないようであれば、この幅を大きくとり切れ味重視の刃にすることを考えるとよいかもしれません。ただしこの場合メーカー設定の刃先の角度よりも鋭く刃を付ける事は、メーカーの保証が一切受けられなくなりますのでご注意下さい。
また、この研ぐ際の角度で気をつけなくてはならないのは、力の入れ方で包丁を押す際と引く際の角度が変わってしまう事で、刃先が丸くなりより一層切れ味が悪くなる場合があります。これがいわゆる「しゃくり研ぎ」といいます。一定の力で、角度が変わらないよう両手で固定する事が大切です。慣れないうちはゆっくりと角度が変わらないよう砥石に当てる事を心がけましょう。上のイメージのように刃先の角度を固定するホルダーなどもあります。慣れないうちはこれを使って一定の角度の取り方を身に付けるのもいいかもしれません。
また、刃先が研げているかどうかの基準は、刃先小刃部分に入る砥石の目による傷と、研いだ反対側の刃先に現れる「かえり」と呼ばれる研ぎバリが基準になります。この「かえり」が出れば正常に研げています。
砥石も消耗品ですから使っていくうちにすり減っていきます。残念な事に使い方によっては部分的に砥石が減る場合もありそのような状態で包丁を研ぐと刃にゆがみが出てしまう場合もあります。砥石も状況を見てメンテナンスしてあげましょう。砥石の平面の出し方は専用の砥石用の修正砥石を用いて砥石を削ります。修正砥石がない場合は平面が出ているブロック塀などに砥石の表面をこすりつけてもいいでしょう。
「砥石で包丁を研ぐのはめんどくさい」と考えがちですが、やってみるとけっこう簡単です。是非この機会に覚えてみませんか?




