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藤次郎株式会社
その他の砥石

その他の砥石の特性

日本の文化では天然砥石から水を使用した研ぎ直しが行われてきたことから、水を使用する砥石が一般的です、しかし技術革新が行われる中で、様々な特性を持った砥石も世界中から導入され目にすることも出来るようになりました。

この章では、新たに生み出された砥石や海外で使用されている砥石を紹介いたします。日本の刃物文化の中では使う用途も限られてくる場合もありますが、用途に合わせた砥石をうまく活用することで、効率よく研ぎ直しを行うことができる場合もあります。

ダイヤモンド砥石の効用

ダイヤモンドのイメージ

一般的にも世界でも最も硬いと認識されているダイヤモンド。このダイヤを砥粒として用いた砥石がダイヤモンド砥石です。非常に硬い砥粒で研ぐことができるので、通常よりも研ぐ効率が高いことや、一般の砥石で研ぐことが難しい高硬度の刃物を研ぐのに向いていると言われます。しかし、一般の砥石と違い研ぎ汁を用いて研ぐのではなく、ダイヤモンド砥粒そのもので研ぐため、刃先にダメージを与えることもあり、一般的なハガネ系刃物の場合はあまりお勧めしていません。最近では様々なダイヤモンド砥石は開発されていますが、基本的には粉末ハイス鋼や非金属であるセラミック包丁などの超硬度の刃物の荒仕上げや、効率よく刃欠けなどを削り落とすなど刀身形状を大幅に変更する場合にのみに使用するもので、仕上げなどには向いておらず、あくまでも一般砥石を補助するものと考えたほうが良いといえます。特にハガネ系の刃物とは相性が悪く、摩擦熱が逃げない状態で研ぎ直しを行うとダイヤモンドの炭素が鉄と結合し、サビが発生しやすくなるほか、砥石のダイヤモンド自体の劣化の危険性もあります。また刃先の炭素含有量が変わり、刃自体が大きく痛む可能性があるため、使用には細心の注意が必要です。しかしながら、抜群の研削性や手入れのしやすさは通常の砥石では考えられないものともいえ、荒砥石として1丁もっているのも良いかも知れません。

ダイヤモンド自体は炭素の構造体ですので、砥粒が刃先に残った状態ですと砥粒と刀身の間で電位差が発生し、サビが発生しやすくなります。使用したらしっかりと砥粒を洗い流すことが重要です。また、この砥粒により他の砥石の偏摩耗が発生する事例もありますので、包丁の刃先の砥粒を洗い流さずに他の一般砥石を併用しないことを注意する必要があります。 また、通常の一般砥石と同じ水桶で一時保管することも避けたほうが良いといえます。

電着ダイヤモンド砥石

金属などの表面にダイヤモンドを混ぜたメッキを施した砥石です。通常の砥石と構造が異なり母材の中にダイヤモンドが含まれているわけではないため、研磨により表面のダイヤモンドが脱落したり、ダイヤモンド自体の研削性を持った突起が丸くなってしまうと、その時点で寿命となります。金属平面にメッキを施していることから、比較的砥石の平面が保たれやすいこと、価格的にも安く作れることもメリットとしてあげられますが、最近では金属表面の水平が取れていない粗悪品なども多く出回っているため、商品購入時には注意が必要です。
HRC硬度52±1程度のステンレス系の包丁などでは、刃先にダイヤモンドが食い込みやすくダイヤの脱落が多く発生し、刃先や砥石自体の劣化につながりやすいため、ハイス鋼やセラミックなどの荒仕上げに向いているといえます。

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レジノイド系ダイヤモンド砥石

結合材に樹脂系の材料を使用しています。一般的に結合材自体が柔らかめのため、砥粒であるダイヤが効果を出しやすく研磨しやすいことが特徴としてあげられます。構造自体は一般のレジノイド砥石と同じのため、同様に平面修正ができ、研削性の高い砥石としても一般的に勧めやすいダイヤモンド砥石と言えます。
結合材自体が力を吸収する作用があることから、柔らかいステンレス系刃物でも使用ができる反面、従来の目的でもある超硬のハイス鋼やセラミック系の研ぎ直し等では本来の研削能力は発揮しにくいようで、一般向けの荒砥石としての使用で最もメリットが出やすい砥石です。

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ビトリファイド系ダイヤモンド砥石

セラミック質や硝子質を結合材として使用した砥石で、電着ダイヤモンド砥石とレジノイドダイヤモンド砥石の良いところを併せ持っています。結合材自体が硬いことから減りも少なく、平面の保持力が強いことが特徴といえます。ただしその分価格も非常に高く、砥石の平面性が失われてしまった場合に平面を出すことが非常に難しいことがあげられます。超硬の包丁を複数持ち、研ぎの実力がある方向けの荒砥石・中砥石としてお勧めできます。

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ゴム砥石は研磨専用

結合材にゴムを用いた砥石です。ゴム自体は大別すると樹脂なのでレジノイド系の砥石とも言えますが、用途が明確に違うためゴム砥石として区別される場合が多くなります。弾性に富んだゴムが母材となるため、一般的な刃付けや研削で使用されることは少なく、研磨用途としてバリ取りやサビ取り、最終的な部分仕上げなどに用いられるます。構造としては消しゴムの内部に砥粒が配合されたものと考えるとわかりやすく、一般手研ぎ研磨用としてはサビ取り消しゴムなどがこれにあたります。工業用としては軸が付いた先端工具用のビットとして加工された商品が多く、精密研磨や鏡面仕上げなどに用いられます。ただしゴム自体は熱に弱いため高速回転を伴う場合は、水などを利用する必要があります。

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砥石とオイルストーンの違い

アウトドアナイフや工具などを使用していると、耳にするものとして「オイルストーン」があります。これはその名の通り、油を用いて研ぎを行う砥石です。日本では元々天然砥石が多く用いられてきましたが、そのほとんどが水を使う「砥石」でした。それに対しアメリカでは同様に天然砥石としてアーカンソー州から産出される「アーカンサス砥石(アルカンサスやアルカンとも呼ばれる)」や「インディアストーン」といわれる砥石を使用していました。元々ネイティブアメリカンが矢尻や刃物などの武器として用いてきた石材で、19世紀の初頭から刃物用の砥石として使用されるようになってきました。オイルストーンとして使用されているのは、当時は開拓時代で水が非常に貴重であったことから、潤滑油として油を用い研いでいたことに由来しているとも言われています。現在では天然のオイルストーンは日本の天然砥石と同様に発掘が減っており、人造のオイルストーンも増えてきています。

日本の砥石は、刃物と接触することで表面が削れ細かい粒子が水と混ざり、これが研磨剤として有効に活用されます。これに対しオイルストーンは前述の通り、潤滑作用として油が用いられていることが大きな違いになると言え、基本的な用途は同じとはいえ研ぎ味が随分と変わってくることがあげられます。また、人造のオイルストーンの場合はスティック状の形状や彫刻刀などに合わせた断面形状で作成されるものが多く、美術工芸用ナイフや波刃の包丁などの砥石として用いられることも多いことも特徴です。

一般的にアウトドアナイフのメンテナンスや、または作成する方はオイルストーンを使用する方も多いですが、通常の包丁を研ぐ場合は基本的には水を使用する砥石のほうが用途としては合っています。ただし、脂の多い肉類を常に切断し続けるような業種の方で、常に脂が付いている状態の包丁を研がなくてはならない場合など、通常の水を使用する砥石を使用してしまうと、砥石に脂が浸透してしまい研ぎ味が悪化する場合もあります。このような特殊用途の場合は油砥石を使用するか、しっかりと脂を落としきった状態で砥石に乗せる必要があります。

ちなみに藤次郎株式会社でも包丁を製造する上で油を使用した砥石は使用しておらず、弊社としては刃物よりも工具やエンジン部品など、研磨や平面処理を行う場合に、水を使用することが困難なものを研磨する際に使用する砥石として認識しています。

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